直流モーターの特長
直流モーターは、交流モーターに比べ速度制御能力に優れるため、高度な速度制御が必要となる電気鉄道、製鉄会社の圧延機、製紙会社の抄紙機、コンテナクレーンなどに多く使用されます。
直流モーターの構造
直流モーターの固定子や回転を行う部分の機能は、三相誘導モーターのように一次側、二次側ではなく、固定子は界磁(フィールド)、回転部分は電機子(アマチュア)と分類します。いずれも巻線です。電機子に電流を一定方向に供給する機構は、整流子(コミュテータ)を指します。直流モーターは、電機子に加わる電圧および界磁に流れる励磁電流の大きさにより電機子の回転数が変化します。整流子やブラシは、定期的な保守や交換が必要です。
- 界磁(フィールド):磁界を作る電磁石または永久磁石
- 電機子(アマチュア):回転運動を行う部分
- 整流子(コミュテータ):ブラシから供給される電流をコイルの一定方向に流す機構を指す
- ブラシ:整流子に摺動接触して電流を流す
直流モーターの分類
直流モーターには、界磁と電機子を直列に接続した①直巻モーター、界磁と電機子を並列に接続した②分巻モーター、
これらの複合形の③複巻モーター、界磁を切り離して別に励磁する④他励磁モーターがあります。
分類 | 特長 | |
---|---|---|
自励式 | ①直巻 | 界磁巻線と電機子とを直列に接続 |
②分巻 | 界磁巻線と電機子とを並列に接続 | |
③複巻 | 分巻と直巻の両方の接続 | |
④他励式 | 界磁巻線の励磁電流を電機子とは別の電源から取る |
①直巻モーター
低速では大きなトルクを出し、負荷が下がると回転速度が上がる。
②分巻モーター
負荷が掛かっても回転速度があまり変わらない。
③複巻モーター
分巻モーターと直巻モーターの中間の特性を任意にとることができる。
④他励式モーター
分巻モーターとほぼ同様の特性となる。